東かがわ市の温浴施設
白鳥温泉の今後について、よくご質問を頂きますので、こちらで一度整理しておきたいと思います。
「(旧)絹島温泉 ベッセルおおちの湯」「白鳥温泉」「翼山温泉」の市内温浴施設をどうしていくか。この問題には4年前に私が就任してからすぐに取り掛かりました。全施設の運営は指定管理者制度に則り、民間企業にお願いしていますが、年々利用者数が減少。ほぼ毎年赤字経営になっており累積赤字もかなりの額に。さらに各施設は建設後数十年が経過しており老朽化が顕著になっていたことが理由です。
その中で、利用者数や特性、立地、将来性などを加味し「ベッセルおおちは何らかの形で残す。白鳥温泉、翼山温泉は指定管理を希望する(施設の運営を受けてくれる)民間企業の手があがならなければ廃止」としての方針を打ち出し、市議会でもご理解を頂きました
ここに至るまでは議員の皆様と何度も議論させて頂きました。詳細は省きますが、東かがわ市議会議録にて【温浴 今後】【温浴 廃止】等で検索してみて下さい。今日に至る議論の経過がお分かりいただけると思います。
◎絹島温泉 ベッセルおおちの湯
当初は老朽部分を改修したうえで、引き続き公共施設として運用していく予定でした。しかし、施設の改修費用を見積もったところ、最低でも10億円を超える予算が必要であるとの結果が出てきました。施設自体が大変大きく、また海際に立っていることから潮風の影響も受けやすく、様々な箇所が傷んでいる状況で、市としてベッセルおおちを持ち続けることに限界を迎えていました。
そこでベッセルおおちを存続させるため、民間企業へのヒアリングを進めた結果、建物は無償譲渡・土地を無償貸付けとすることを決定。その後、譲渡を希望する企業の皆様から応募を頂き、今年の5月に㈱エンジェルリゾートグループ小豆島様に正式譲渡、現在は「瀬戸内リゾート ベッセルおおち」としてリニューアルオープンしています。これからもご愛顧頂きますよう、お願い致します。
◎翼山温泉
2021年3月末をもって、当時運営を頂いていた企業様との指定管理契約が終了することを受け、新しい指定管理者を募集していました。上記の通り「次の指定管理者が決まらなければ廃止」という方針であったため、引田地区を中心にかなり大きな議論が起こりましたが、kanemitsu㈱様に応募を頂いたことで、以後の翼山温泉を運営してくれています。
◎白鳥温泉
翼山温泉と同様「次の指定管理者が決まらなければ廃止」とう方針のもと、当時の指定管理企業様との契約は2023年3月末となっていました。昨夏~秋に行った管理者の募集に対し、1社の応募があったので、指定管理者として市議会の承認が必要であるため、2022年12月の市議会定例会にて議案を提出。しかし、議会審議の結果、議会の決定は「否決」とされました。
この結果を受け、2023年3月末をもって白鳥温泉は閉館。現在は、当該土地・建物の今後について議論を進め、ベッセルおおちと同様に、民間企業で引き受けて頂ける可能性を探っています。今夏さっそく複数の企業団体からの意見をもらいましたが、「こういう条件であれば引き受けられる」という声までは至っておりません。引き続き、こちら側からの譲渡条件を変えたりしながら、可能性を探っていくので、進捗があれば各所でお知らせいたします。
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いずれにしても、前市長時代からの公共施設の廃止・統合は現在の東かがわ市には避けられません。今この段階は厳しい議論ですが、次世代に課題や負担を残さないように、これからも真正面から向き合っていきます。