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温浴施設の今までとこれから

東かがわ市には、かつて3つの公設温浴施設がありました。翼山温泉は1990年に引田町が、白鳥温泉は1978年に白鳥町が、ベッセルおおちは1997年に大内町がそれぞれ建設し、2003年の東かがわ市合併により、東かがわ市の公共温浴施設となりました。

しかし建設から数十年経ち、施設の老朽化や客数の落ち込みにより今後の見直しが必要でした。私が市長に就任した2019年にはその傾向が顕著になり、3施設の見直しに着手しました。私自身も様々な機会に利用した施設ですし、何より地元の皆さんにも愛された施設の見直しには様々な議論が起こりました。そんな中で、たどり着いた結論は

「ベッセルおおちは観光施設側面もあるので残す。翼山温泉、白鳥温泉は運営事業者が決まらなければ休止する」

でした。苦渋の決断でした。

白鳥温泉の最終営業日。 お客様に御礼を申し上げる中、極めて厳しいお言葉も多く頂きました。

まず、翼山温泉の存続について存続の反対運動が起こり、住民や利用者による署名活動が起こりました。しかし、多くの方々が関わって署名活動が進み、私に利用客が特に伸びないという、少し不思議な状況でした。さぬき市の施設のように市民有志が営業を引き継ぐ、という話も上がりましたが、頓挫しました。

白鳥温泉は、運営事業者の切り替え時期に手を上げてくれた事業者が現れたのですが、運営事業者の決定を市議会が否決。閉館を余儀なくされました。

ベッセルおおちは海際にあることから施設の傷みも相応にあり、再整備に向けて動きましたが「リニューアル」というよりも「今までと同じ建物・設備で同じように営業する」ための修繕費用が10億円を超えていくという試算も出て、「行政が残していく」という選択肢が難しくなりました。

3つ全ての温浴施設がそれぞれに行き詰まりそうになった中、ポイントとなったのは民間活力でした。

外観もとてもキレイになってスタートした「つばさ山温泉」 。内観はもっとキレイです

翼山温泉は、運営事業者が2021年、2026年それぞれに決定し、市の公共施設を民間企業が運営するという形で営業を続けています。特に今春には運営事業者が大掛かりな投資を行い「つばさ山温泉」としてリフレッシュオープンをしました!マンガコーナーも新設され、食堂もリニューアルされたので行く価値アリです!

2023年3月をもって閉館となった白鳥温泉。再開を求める署名運動も起こりましたが、手を上げてくれた運営事業者の選定を市議会に否決された以上、私にはどうにもできませんでした。その後は、様々な条件変更をしながら「建物を無償譲渡」「土地は30年無償貸与」「建替えに伴う費用を市が支出する」条件で、引き受けてくれる事業者が現れ、市議会で可決されました。現在は解体作業中で、早ければ2027年夏にオープン予定です。

ベッセルおおちは、白鳥温泉復活のモデルにもなりました。まず、「どうやったらベッセルおおちを存続できるか」という観点で民間事業者からの意見を募りました。さまざまな事業者がヒアリングに参加してくれ、その意見をまとめて「建物:無償譲渡/土地:無償貸与」という条件を整理。その条件で公募を行ったところ、ありがたくも複数の事業者が手を上げてくれて、各社から企画提案を頂くコンペにまでつながり、事業者が決定。2023年春に譲渡と貸与を行い、現在の運営に至っています。今後も内装や設備がどんどん良くなっていく予定です!

ベッセルおおちの夏のビアガーデンから望む夕日は最高である

昭和~平成期に建てられた施設の老朽化、人口減少・少子高齢化による需要減など、温浴施設をはじめとした公共施設の見直しは、現在の地方自治体にとって避けて通ることのできない課題です。市長に就任後、この課題には正面から向き合っています。シンプルに解体せざるを得なかった施設もありますが、できる事なら生まれ変わらせたい。市民の皆さんの思い出や記憶が詰まった施設を「ゼロ」にすることは、とても胸が痛む決断です。だからこそ、民間企業と様々な形で連携していきます。東かがわ市と民間企業のタッグによる可能性は無限大です!